アイスクライミング
氷壁をのぼる競技
エクストリームスポーツとは、多種多様なスポーツの中でも速さや高所でのパフォーマンスが要求され、そのため成功した時の華やかさが魅力的である一方で危険も含まれるスポーツの総称です。
若者を中心に発展しているものが多く、別名アクションスポーツ・Xスポーツとも呼ばれています。
そんな中で気温が下がる11月から春になる4月、場所によっては5月ごろまでしかできない期間限定のスポーツが、アイスクライミングです。
他の季節であれば水が溢れんばかりに流れている沢や滝も、冬場になれば徐々に凍り付き、やがてひとつの大きな氷柱になります。
アイスクライミングはその氷柱を鎌に似た形状のアイスアックスや登山靴につける爪のようなクランポンなどの道具を活用し、ロープで状態を確保しながら登っていくスポーツなのです。
その年の気温や水量の変化によって氷柱の状態が毎回違ってくるのが特徴であり、まったく同じものが存在しない氷壁を自身が持っている知識や経験をフル活用して正解を導き出して登っていくスリルと興奮、登り切った後の充実感が味わえます。
アイスクライミングの危険
ただエクストリームスポーツの一つとして数えられている以上、少なからず危険性が孕んでいるのも事実です。
アイスクライミングでは氷柱を登る特徴から、そのポイントに辿り着くまでは雪山登山になるのが通例で、アイスクライミングに必要な道具を持ったうえで雪山に耐えられる装備も兼ねなくてはならず、総体重が増える傾向にあります。
しかし氷柱は自然が作り出すものですから一定の厚みを常に維持している保証はなく、登っている最中に表面が割れてしまったり崩れてしまったりというケースは少なからず報告されているのです。
かといって軽量に意識を向けすぎると、持っていった道具が軽すぎて氷に刺さらないなんてことも起こり得ます。
なので装備をいかに工夫して重さを調節するかが、氷柱を登りきる知識や体力と同様に重要な要素といえるのです。
これらの事から大自然を相手に楽しむアイスクライミングは玄人向けのスポーツという印象があります。
ただ近頃では愛好家の幅を広げるべく、人間が管理している比較的安全な氷壁を利用してのスクールやサークルもあり、場所によっては種類の多い装備品などもその場でレンタル可能です。
そこでは一般的に基本的な技術や道具の選び方のほかに氷柱が割れて氷が落下してきた時の対処法なども学習できるので、アイスクライミング入門には適した場所となっています。