ジャイアントスラローム
アルプスの雄大な自然から生まれたジャイアントスラローム
ジャイアントスラロームは、アルペンスキーの中でも特にダイナミックなターン技術が求められる競技です。
雪山を舞台に、旗門と呼ばれるゲートを高速で滑り降り、タイムを競います。
冬季国体やオリンピックの正式種目にも選ばれており、その人気は世界中に広がっています。
選手たちは時速50~70kmの猛スピードで、赤と青の旗門を正確に通過しなければなりません。
一瞬の判断ミスが命取りとなるため、強靭な体力だけでなく、研ぎ澄まされた感覚と瞬時の判断力が求められます。
競技は異なるコース設定で2回の滑走を行い、合計タイムで勝敗が決まります。
ゲートの外側を通過すると失格となるため、選手たちは正確かつスピーディーな滑りを目指して技術を競い合いますが、その姿は圧巻です。
1本目の滑走で上位30位に入った選手のみが2本目に進めるという緊張感あふれるルールも、この競技の魅力の一つといえます。
スリリングなコーナリングと圧巻のスピード
ジャイアントスラロームの見どころは、手に汗握るコーナリングと、雪煙を巻き上げるほどのスピード感です。
弧を描きながら滑り降りるジャイアントスラロームでは、コーナリングのテクニックが勝敗を分けます。
ゲートの間を縫うように滑る選手たちの姿は華麗ですが、少しでもタイムを縮めるためにコーナーのギリギリを攻める姿は実にスリリングです。
時にはポールに接触し、流血やあざを作るほどの激しい戦いが見られることも。
特に、マルセル・ヒルシャー選手やミカエラ・シフリン選手をはじめとする、世界のトップ選手たちの華麗なターン技術は見る者を魅了します。
時速40~60kmで斜面を滑り降りるスピードも迫力満点です。
スピードを落とさずに正確なターンを刻む姿は、まさにアスリートの極みでしょう。
特に、急斜面を高速で滑り降りる姿は観客に息をのむようなスリルを与えます。
世界が熱狂するFISワールドカップと注目の日本人選手
ジャイアントスラロームの最高峰といええば、FISワールドカップです。
毎年10月末にオーストリアの氷河スキー場で開幕し、フィンランド、北米を経て、ヨーロッパ各地を転戦します。
3月中旬まで続く白熱のレースは、世界中のスキーファンを魅了して止みません。
2023-24シーズンのFISワールドカップでは、加藤聖五選手が日本人最高リザルトを記録し、大きな話題となりました。
全日本選手権で史上最年少の17歳で優勝という輝かしい経歴を持つ加藤選手は、今後の活躍が期待される若手選手の一人です。
スキー王国のオーストリアをはじめ、スイス、ノルウェー、イタリア、フランスなどが強豪国として知られています。
日本でも加藤選手のように世界で活躍する選手が増えていますから、今後ますます注目が高まるでしょう。