インドアスカイダイビングで踊るバレエ

インドアスカイダイビングをご存知でしょうか。
スカイダイビングは飛行機で空高くから飛び降りるスポーツですが、このスカイダイビングを室内で体験するのがインドアスカイダイビングです。
円筒形の透明な筒にタービンで強風を作り上げ、下から上へと風を送って人の体を浮き上がられるWind tunnelと名付けられた装置を使って行われます。
Wind tunnel内は時速約250キロの、すさまじい風が吹き上げています。

そして、この過酷な環境の中でバレエを踊るWindgamesという新しい競技が注目されています。
風による浮力を利用して空中で華麗に舞う姿はエレガントでありながら、とてもスリリングです。

世界大会も開催されており、世界中から選手が参加。
素晴らしい演技が披露されました。
ソロとペア、そして4人による競技が行われ、出場選手たちは空中でのダンスの美しさ、技の難易度や成果さ、速さなどを競いました。
風に煽られながらも、まっすぐに美しい姿勢を保ちながら自由自在に舞い踊る少女たちに魅了され、ずっと見ていたい気持ちになります。

2017年にスペイン行われた世界大会のWindgames2017で優勝を果たしたのは、わずか14歳のカイラ・ポー(Kyra Poh)さんでした。
カイラさんはシンガポールの代表選手です。
参加選手200人の中から見事に優勝を勝ち取ったカイラさんは、鮮やかなスピンを次々に繰り出し、観客を魅了しました。

(参考記事)
Kyra Poh final freestyle wind Games 2017 empuria brava

インタビューではパフォーマンスには多くの回転を取り入れていると語っており、この競技は見た目がすべて、いかに上品にフェミニンに見えるかを考えながら踊っていると語っています。

彼女が語っているように、Windgamesのパフォーマンスは、まるで妖精が空中で舞っているように優雅です。
しかし、見た目はフェミニンに見えても、時速約250キロの強風に常にさらされている状態で美しいポーズをキープするのは、並大抵のことではないはずです。

もともとは軍事設備だったWind tunnelが華麗な舞台に!

大会の主催者であるWINDOORによると、初期のWind tunnelは、英国で1870年代に開発され、軍事用として使われていたとのことです。
また、第二次世界大戦ではドイツ空軍がWind tunnelを使ってパイロットの訓練や、空気力学を応用した戦闘機の開発などを行っていたといいます。
かなり古くから軍事設備として活用されていたことがわかります。

軍事から離れて華麗なスポーツとしてWind tunnelを使った、WindGamesが開催されたのは2015年です。
大きな円筒形の中でのびのびと演技する、カイラ・ポーさんのパフォーマンスを、ぜひ動画で楽しんでください!