ドラッグレースに関する概要
違法な遊びから生まれたスポーツ
今回は、「ドラッグレース」について紹介しようと思います。
ドラッグレースとは言っても、違法薬物を吸引するようなレースではありません。
これは、アメリカが発祥の競技です。
どのようなものかと言いますと、直線コース上でストップしている状態からスタートして、一気に加速をして、ゴールまでのタイムを競うというものです。
大体想像は付くとは思いますが、もともとこの競技というのは、サーキットで行われていたものではありませんでした。
もともとは、公道で行われていたもので、使用していたのもドラッグレース専用の車ではなく、市販車を思いっきり改造したようなものです。
ですので、もちろんこれは違法です。
公道で行う際には、タイムを計測するようなことはせず、主に2台が横に並んで、どちらが速いかというのを決めるものでした。
このようなレースを真昼間から行っていては、警察の格好のターゲットになってしまうので、公道でのドラッグレースは、夜中に行われていました。
レースをする人だけではなく、立会いをする人やその他の観客も大勢集まっていました。
警察が来ると、雲の子を散らしたように解散していきました。
アメリカ人というのは、単純で派手なものを好む傾向にあります。
レースに関しても、陸上競技場のような周回コース(オーバルコースという)を、ただぐるぐる回っているだけの競技というのもあります。
様々な車両で行われる
ドラッグレースは、アメリカではモータースポーツとしての地位があります。
モーター、つまりエンジンが付いていれば何でも構わないようで、市販車はもちろんですが、
スクーターやセミトレーラー用のトラクターヘッド、そして特殊な競技専用車に至るまで、様々な車種がドラッグレースを行います。
通常、レースとして行う場合には、車種は統一しますが、興行や公道レースの場合には、まるで異種格闘技戦のような組み合わせもあります。
スーパースポーツバイクとスーパーカー、というような組み合わせもあります。
また、この場合は1対1で行うのが普通です。
では、距離はどのようになっているのでしょうか。
距離に関しては、別に定められてはおりません。
サーキットなどで行う場合には、サーキットの直線部分いっぱいを使い、かなり長い距離になる場合もありますが、通常は400メートルくらいになります。
日本では、この区間でのドラッグレースのことを「ゼロヨン」といいます。
このドラッグレースの場合、必要なのは「速さ」のみであり、そのほか車に必要な要素に関しては、あまり必要とされてはいません。
例えば、ハンドリングであったり、ブレーキングの性能であったりです。
確かに、これらの性能は、ドラッグレースには全く必要がありません。
市販車の中にも、もともとそのような特性を持つ車というのがあり、
そういった車はこのようなドラッグレースに参加することで、普通では「アンバランスな能力」も、このときばかりは最強の車になれるのです。