ドリフトがスポーツに

今回紹介するエクストリームスポーツは、「ドリフティング」です。
ドリフティングというのは、わかり易く日本語で言うとドリフト走行をすることを言います。
これがスポーツになっているのです。

ではそもそも、ドリフトというのは何かなと思い調べてみました。
もともとこのドリフトの語源というのは英単語の「drift」からきています。
意味は「漂う」という意味です。

語源の話はこれくらいにして、ドリフトについて紹介したいと思います。

ドリフトのやり方

ドリフト走行というのは、タイヤがスリップした状態で、その状態をドライバーがコントロールしながら走行することを言います。
では、ドリフト走行というのは、一般の車ではどのように発生させるものなのでしょうか。

一般車のときには、使用するのはサイドブレーキです。
サイドブレーキというのは、前輪にきくもので、ワイヤーの力によってブレーキをかけます。
カーブを曲がっているときに、サイドブレーキをかけると、前輪がロックする状態となります。
しかし後輪にはサイドブレーキは関係ないので、そのままタイヤは回転し続けます。
後輪だけが回転をすることで、車は横へスライドする状態となります。
これがドリフト走行のやり方です。

使うテクニックから見せるテクニックへ

ドリフト走行というのは、昔はレースをするうえでは不可欠なものでした。
しかし、最近では道路の舗装の状態もよくなりましたし、車の性能も上がってきました。
そのような状況では、あえてドリフト走行をするよりも、あまりタイヤを滑らせずに、タイヤのグリップを最大限使うという走行方法が主流となっています。
このドリフト走行は、今ではあまり実用的なテクニックではありません。

今ではむしろ「魅せる」テクニックとなっております。
意図的にリアタイヤをドリフトさせて、そのスリルを楽しもうというのが増えています。

このドリフティングを専門にしたレースというのも、日本では開催されています。
世界で一番、このドリフティングが盛んなのは、なぜかここ日本です。
それには、日本にはくねくね曲がった峠道が多いということ、そういった峠道を舞台にしたマンガが大ヒットしたこと、
そして現実世界においても、ドリフティングを得意にしているレーサーがいるなど、様々な理由があります。

ドリフティングの場合、他のモータースポーツと決定的に異なるところがあります。
一般的なモータースポーツの場合、いかに速く走ってゴールするかというのを競うのに対してドリフティングの場合にはそれに「いかにドリフトの姿勢が美しいか」という基準もあります。
採点競技の側面もあるのです。

これをスキーに例えるならば、一般的なモータースポーツは滑降や回転競技といったところですが、ドリフティングの場合には、さしずめ「モーグル」といった感じになります。
スキーのモーグルも、スピードだけではなく、ターンの技術やエアの美しさや難易度などもあわせて、総合的な評価をします。
まだドリフティング自体の歴史は浅く、採点基準もまちまちなため、早い段階での国際的な統一が求められます。