史上最年少でXgamesでメダリストとなった中村輪夢選手
BMXの申し子
父親は京都のBMXショップHANGOUTの経営者だったため、その家庭環境から中村選手は3歳の時からBMXに乗っていました。
輪夢という名前は、車輪のパーツから付けられ、初めて大会に出場したのは5歳というまさにBMXの申し子と言える環境で育ってきました。
小学校高学年では、大会に出場する度に優勝するなどすでに頭角を表していました。
15歳の時には、プロに転向し世界で活躍するBMX選手として才能を開花させていきました。
2015年には、「Racon Tour」というアメリカで開催された大会で、13歳~15歳のクラスで優勝し、翌年には「G-shock Real Toughness」でも優勝し、一躍BMX界の有名人となりました。
2017年には世界選手権で7位入賞、2019年のワールドカップでは日本男子として初優勝を飾り、東京オリンピックでの活躍も期待されていました。
しかし、大会前年に左かかとを負傷してしまい、大会直前まで練習が十分に出来ず本番に臨んだため、5位という結果に終わりました。
他方で、同じく2020年に開催された世界大会である「Simlpe Session 2020」で優勝を果たし、BMX界において再び存在感を世に知らしめました。
最大の強みはAirの高さ
中村選手が活躍するBMXフリースタイル・パークでは、制限時間内に会場に設置されている障害物を使用しながら、いかに難易度の高い技を完璧にこなす事が出来るかを競います。
中村選手のプレイは何といっても高い飛躍力が魅力で、大会の中でも誰よりも目立ちます。
そして、Air(ジャンプ)の高さが高いという事は、技を魅せる事の出来る時間が長いという事に繋がるので、難易度の高い技を繰り出しやすいということになります。
世界と戦う為に幼少期から磨き上げてきた技が彼にとっての最大の強みとなっているのです。
その強味を活かした彼の得意技が「スーパーマン」という技です。
これは、空を飛んでいるように見えるよう、ハンドルを握ったままペダルから足を、サドルからお尻を離す大技です。
こういった大技を持ち前の強い精神力で、どんな大きな会場でも成功させてきた事が中村選手の強さの元になっています。
練習は遊びの延長
中村選手は、練習の虫と呼ばれるほど常にBMXに乗り、ほとんどオフを作らずに時間さえあれば練習しているようです。
「誰よりも高く飛び、誰よりも目立ちたい」と常に話している中村選手は、その練習量の多さから自身のプレイに自信を持つことが出来ているのでしょう。
物心ついた頃からBMXが大好きで、いつでもBMXの事を考えているその姿勢が彼の「強さ」に繋がっています。
中村選手は、「好きな事を仕事にする」事の楽しさを身をもって表現してくれている、若者の憧れ的な存在になっています。