過酷にして奥深い、ビール愛好家の祭典「ビール・マイル」

ビール・マイル(ビアマイル)は、文字通りビールを飲みながら1マイル(約1.6キロ)を駆け抜ける一風変わったレースです。
基本は400メートルの競技用トラックを4周しますが、各周のスタート前に355ミリリットルのビールを一気に飲み干さなければなりません。
つまり、合計で1.5リットルのビールを飲むことになります。
さらに、ビールのアルコール度数は5%以上と定められています。

かなりのアルコールを摂取しますから、途中で酔っ払って気分が悪くなる選手もいます。
もしレース中に嘔吐した場合は、ペナルティとして1周追加で走らなければいけません。
胃袋と肝臓、脚力の限界に挑戦する過激なレースと言えるでしょう。

ビール・マイルはカナダで発祥し、現在ではアメリカ東部を中心に人気を集めています。
日本でも、ビール好きの間で注目が集まっているとのことです。

驚異のスピードと戦術!ビール・マイルの魅力と見どころ

ビール・マイルの最大の見どころは何と言っても、意外に早いスピード感です。
スタートの合図とともに選手たちは一斉にビールを飲み干し、そして勢いそのままにトラックを疾走するのです。
トップ選手ともなれば、1マイルを5分台で駆け抜けることも珍しくありません。

しかし、ビール・マイルは単なるスピード勝負ではありません。
ビールの飲み方、そして飲んだ後のペース配分など、各選手が綿密に戦術を練り上げており、レーステクニックも見どころとなっています。
いかに速くビールを飲み、そしていかに速く走るか、この2つの速さを両立させることが、勝利への鍵となります。

世界の猛者たちが集結!ビール・マイルの舞台と注目選手

ビール・マイルは世界各地で開催されており、その中でも「ビアマイル・ワールドクラシック」は世界最高峰の大会として知られています。
2024年現在、ビールマイルで世界トップの記録を持つのは、コリー・ベルモア選手です。
2017年に打ち立てた自身の世界記録4分33秒をさらに短縮して4分28秒を達成と、驚異的な記録を保持しています。

その一方で、2023年にはヤコブ・インゲブリクトセン選手が初挑戦し、5分22秒という驚異的なタイムを叩き出しました。
これはビール・マイル初心者としては異例の速さで、世界記録保持者のコーリー・ベルモア選手も、デビュー戦で5分を切ることはできませんでした。
インゲブリクトセン選手は中長距離界のトップランナーとして知られていますが、この記録は彼の類まれな身体能力と勝負強さを改めて証明するものとなりました。
ベルモア選手はインゲブリクトセン選手との対戦を熱望しており、今後の展開に注目が集まっています。