【ウィング・ウォーキングとは】
ウィング・ウォーキングとは、飛行機(一般的には複葉機)の翼の上に乗って立ったまま拘束し、そのまま急上昇や急降下などのパフォーマンスを行うエクストリームスポーツです。
飛行機の上に乗って移動するだけでもその風の威力は凄まじく、さらに急上昇や急降下、あるいはスピンを行うので体にものすごく負担がかかります。
高いところが苦手な人はそもそも無理で、死ぬかもしれないという恐怖に耐えられない人にもおすすめはできません。
ですが、飛行機の上に乗るという体験はなかなかできるものではなく、そのスピードとスピンによる移動は、空を飛ぶ鳥になったような感覚を覚えることでしょう。
鳥が見る地上の景色を堪能することもできます。

【ウィング・ウォーキングの始まり】
ウィング・ウォーキングのパフォーマンスが始まったのは、1920年代のアメリカでした。
最初に行われたのは、1918年の11月にアメリカ人のオルマーロックリアがテキサス州バロンフィールドで、飛行機の翼の上を歩くという大胆なスタントを行いました。
これはエクストリームスポーツのような楽しさを求めているのではなく、大胆なスタントをすることによる聴衆からのお金稼ぎが目的です。
彼の後もウィング・ウォーキングのパフォーマンスが行われ、翼の上を歩くだけではなく逆立ちをしたり、ある飛行機から別の飛行機に移動したりなどのバリエーションが増えました。
ですが、それはかなり危険な行為であり、死亡事故もありました。
1936年に政府が規制を出し、ウィング・ウォーキングは、車、ボート、電車などの地上車両のスタントへと移り変わりました。

【現代のウィング・ウォーキング】
近年もウィング・ウォーキングは実施されていて、様々なパフォーマーが活躍しています。
1981年11月14日には、19機のスカイダイバーが飛行中のユンカースJU-52航空機の左翼に立って歩行するという、非公式の翼歩行世界記録を樹立しています。
2018年10月20日には、カナダのラッパーJon “Jon James” McMurray がウィング・ウォーキングによるミュージックビデオの撮影中に亡くなりました。
McMurrayはパラシュートを装備していましたが、地面に近かったためパラシュートを展開することができなかったようです。
現在はエクストリームスポーツとしてウィング・ウォーキングというパフォーマンスが確立されていて、日本人では安藤美姫が日本国内でパフォーマンスを披露しました。

【ウィング・ウォーキングを体験できる場所】
ウィング・ウォーキングを体験できる場所は限られています。
イギリスのサマーセット州やリンカンシャー州で体験することができます。
The Wing Walk Companyという団体がウィング・ウォーキングができるよう予約を受け付けています。