バトントワリング
芸術性の高いスポーツ「バトントワリング」
パレードなどで見かける「バトン」ですが、とても華やかな印象です。
バトンは金属製で、棒の部分であるシャフトの片方には大きなおもりのボールが、もう片方に小さなおもりのティップが取り付けられています。
バトントワリングとは、このバトンを手で回すだけではなく、高く投げたり、手以外の部位で転がすなどの技で演技する競技です。
つまり、華やかさで魅せることはもちろん、バトントワリングは音楽に合わせて高度なテクニックや完成度、スピードなどを競う芸術性の高いスポーツとして発展しているのです。
バトントワリングの起源と歴史
スポーツと芸術の2面性を持つバトントワリングは、学校や社会教育の中で普及し、競技人口が増える傾向にあります。
そもそもバトントワリングの起源は、アメリカの軍楽隊がマーチングで回していたライフル(後に指揮杖)です。
また、ヨーロッパのフラッグトワリングやサーベルトワーリングも影響していると言われています。
こうした棒のようなものを回すパフォーマンスは、マーチングの際の出し物として人気があり、軍隊や消防隊により演技されていたものが、アメリカ全土に広まったそうです。
当初のバトンは重量があったため、演技者のほとんどが男性でしたが、時を経て徐々にバトンが軽量化されて女性も参加するようになり、現在の形に発展を遂げることになります。
第二次世界大戦後、男性の演技者が軍隊に行ってしまったため、女性のバトントワラー・バトンメジョレットが一気に増加、演技にも変化が現れ、美しく、優雅なものへ変わっていきます。
1980年にはアメリカ・シアトルにてバトントワリングの第1回世界大会が行われ、以後毎年WBTF(世界バトントワリング連盟)加盟国で開催しています。
現在のバトントワリングは、音楽の解釈やダンス、体操の要素も加わり、フィギュアスケートやバレエを鑑賞するように、テクニカルと芸術的な美しさも求められる競技です。
バトントワリングの3つの操作技術
バトントワリングには様々な操作技術が求められますが、大きく分けるとエーリアル、ロール、コンタクト・マテリアルの3つになります。
エーリアルとは、バトンを空中に投げる操作で、バトンの離し方やキャッチの仕方、投げる際に体を回転させたり他の技を組み合わせて難易度を高めることも可能です。
ロールとは、手ではなく顔や首、腕などの上をバトンを転がしてバトンを回す操作で、手を使わず、流れを止めずに行うことがポイントです。
コンタクト・マテリアルは、体の近くでバトンを回転させる操作で、様々なボディーワークを合わせたり、スピードを出すことにより難易度を高めます。